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    かけはし2021年3月8日号

同意のない性行為は犯罪だ


相次ぐ家庭内性暴力「無罪」判決

被害者の立場からの判決を

私たちの声を広げよう


2019年3月
の無罪判決


12日福岡地裁。「女性から明確な拒絶の意思が示されていなかった」と主張していた男性が無罪。判決は「女性が合意していたと勘違いしていた」とする。
19日静岡地裁。強制性交致傷の罪に問われた男性が「被告からみて明らかにそれと分かる形での抵抗はなかった」として無罪。
26日名古屋地裁、娘が中学2年生のときから性虐待をしていた父親に、自分から服を脱いだ、父親の車にのってホテルに行ったことを理由に、「抵抗しようと思えばできた」として無罪。
28日静岡地裁。当時12歳の長女を2年にわたり週3の頻度で強姦していた罪で問われた父親に対し、家が狭いことを理由に少女の証言は信用できないとして無罪。家から押収された児童買春・児童ポルノ禁止法違反の罪で、罰金10万円。
これは昨年の国際女性デーを前に、フラワーデモ呼びかけ人の北原みのりさんの文章から四つの無罪判決部分をまとめたものだ。北原さんは「フラワーデモは今年2020年3月8日国際女性デーに、1周年を迎えます。2020年は、2017年の性犯罪刑法改正で残された課題の解決に向けて大切な1年になるでしょう」「毎月11日に行ってきた公式のデモとしては、1年経ったこの日を一端の区切りにすることになります」と特別な意味を持たせている。そして「被害者の視点にたった刑法改正を目指して、諦めない声をあげていきましょう」と締めくくる。
私たちはここから1年経ったところにいる。

法務省の検討会


2017年の性犯罪刑法改正の際、3年後の検討についての附則が加わった。性犯罪の改正は110年ぶり。
昨年6月、「法改正の要否・当否について、幅広く意見を伺って論点を抽出・整理し、議論を行う」ための性犯罪に関する刑事法検討会がはじまり、2月までに12回開催、13回は3月8日に開催される。議事録は12月開催の10回までが公開されている。
「ところが、12月8日の検討会を終えて、検討委員の山本潤さんからこのようなツイートが流れてきました」と、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウの伊藤和子さんがネットニュースに投稿した。山本さんは性被害当事者を中心とした団体「spring」の代表理事、検討会に当事者団体として加わる。山本さんのツイートは「性犯罪検討会は11月から議論が絞られ、同意のない性交は性犯罪と書くことや、性交同意年齢を16歳未満にあげることも厳しい状況が見えて来ました」というもの。現行の同意年齢は13歳未満と低い。
現在、両団体など12団体でつくる刑法改正市民プロジェクトが、署名やSNSを利用した共同キャンペーンを行ってきた。
2月28日に集約された署名は、次の4点を求めている。
@強制性交等罪(レイプ)における暴行・脅迫/ 心身喪失・抗拒不能の要件を撤廃し、相手からの「不同意」のみを要件として性犯罪が成立するよう刑法を改正すること。
A監護者等性交等罪の適用範囲を18歳以上に拡大し、処罰を重くすること。
B親族、指導的立場にある者(教師・施設職員等)や上司など地位や関係性を利用した性行為に対する処罰類型を設けること。
C低すぎる性交同意年齢を引き上げ、抜本的に見直すこと。

みんなで一斉
につぶやいて


刑法改正市民プロジェクトは、統一ハッシュタグ「#同意のない性交を性犯罪に」をつけ、「同時刻に一斉につぶやいて、私たちの声を広げていきましょう!」と現在、つぎの性犯罪検討会の前日である3月7日正午の行動を呼びかけている。
spring-voice.org
flowerdemo.org
hrn.or.jp/


また、3月8日を中心にし、国際女性デーの行動がいくつも準備されている。
(3月1日 KJ)


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